クリスタル科学研究センターの武井 貴弘准教授が、第63回（平成20年度）日本セラミックス協会賞進歩賞を受賞し、６月５日に東海大学校友会館（東京都）で開催された日本セラミックス協会第84回通常総会において、表彰式が行われました。

受賞研究業績は「電気化学的手法による無機ナノシート複合膜の構造制御」です。これは、層状化合物を剥離して作製した無機ナノシートを用いて、電気化学的な手法を用いて構造制御した複合膜を作製する方法で、新たな無機−有機複合配向膜の作製が可能であることや、簡便な方法で高度に構造を制御した膜が作製可能であることが評価されての受賞となりました。本方法では、無機ナノシートとして層状金属リン酸塩や層状マンガン酸塩を用いていますが、その他多数ある層状化合物を用いたり、また各種ポリマーや錯体などを用いることによって、高次ナノ構造を有する膜や、これまでにない組み合わせの複合膜などを作製できる可能性があります。
なお、同賞は、セラミックスの科学・技術に関する学術上優秀な研究業績を主に本会機関誌に発表した個人に与えられる賞で、今回は5件が選ばれました。

武井准教授は「これまでの研究成果がこのような形で評価され、大変うれしく思っております。今後も、さらなる研究成果を挙げることができるよう努力いたします。」と話しています。