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学部・大学院案内

工学部長メッセージ

創る楽しみ、学ぶ喜びのある工学部をめざして

現代文明の基盤としての工学

中川 恭彦

工学部長・大学院医学工学総合教育部長

中川 恭彦

 人類は、『道具』をつくり活用することで多くの願いをかなえてきました。いつでもどこにいても友人とコミュニケートしたい、自由に空間を移動したい、いろいろな情報を早く手に入れたい、など様々な願いを『道具』をつくることにより実現してきました。特に近現代においては、自然の原理を探求する自然科学の発展と結びついて、多くの『道具』を作り出す技術が発達しました。

 一つの願いがかなえられると、人間の脳はさらに新しい願いを創出します。工学は、自然の法則を知り、人間と社会のあり方を考えながら、私たちの生活に役立つ「ものづくり」に関する学問であり、知的実践です。

 自動車、航空機などの機械技術、コンピュータや携帯電話などに関する電子材料や情報技術、都市・交通基盤に貢献する土木技術、新たな有用物質を生み出す化学技術、さらには、食物の生産や医薬品などの分野で豊かな生活を支えるバイオテクノロジーなど、私たち人類の願いをかなえる「ものづくり」の基礎知識を学び、また創造する能力を養う場をみなさんに提供したいと本学部は日々努力しています。

未来世代を思いやるテクノロジー教育

 現代は地球の有限性を考え、持続可能な社会を実現する技術の創出が求められる時代です。本学部が「未来世代を思いやるテクノロジー教育」をキャッチフレーズとして掲げ「広い教養と深い専門性をもち豊かな想像力と優れた判断力を備えた将来を担う工学系技術者を養成する」ことを教育理念としている所以がここにあります。

 「思いやり」は独りよがりに陥ってしまっては、他の迷惑になることは言うまでもありません。人類の歴史や社会の構造に対する理解と、透徹した思考と、他者との継続的なコミュニケーションによってはじめて意味のある「思いやり」となるのだと思います。そのために工学部を志望するみなさんには、工学の専門科目だけではなく、工学を社会に生かすための学問、教養教育の科目群も積極的に学んでほしいと思います。

基礎学力を重視、意欲的な学びをサポート

 先端的な学問を学ぶ上でまず必要なのは「足腰を鍛えること」、つまり基礎科目をしっかり学ぶことです。本学部では、充実した基礎学力を身につけるためのサポート体制として昨年度より、学生たちが集まる学びの場である「共創学習支援室(フィロス)」を設けました。数学、物理学など基礎科学を専門とする教員が日常的に学びをサポートします。また、早くからより進んだ工学研究に触れる場として「キャリヤハウス」と「ベンチャーハウス」プランを設けました。学科を超えた仲間たちとともに新しい発見をする喜びや創る楽しみを体験してほしいと願っています。

優れた教育・研究環境

 本学は、工学系の関連研究施設としてクリーンエネルギー研究センター、クリスタル科学研究センター、ワイン科学研究センター、燃料電池ナノ材料研究センター、国際流域環境研究センターを有しており、これらのセンターでは各学科の研究室とともに最先端の研究が展開されています。大学院へ進学し、さらに高度な研究を目指す意欲ある学生にとって、本学部は申し分のない優れた教育・研究環境であると確信しています。