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卒業生の声

最近の言葉を借りれば、「地頭力」がある人が望ましいです。

宮澤 泰司 さん

(株)野村総合研究所 生産技術革新推進部
山梨大学工学部電気情報工学科卒業

宮澤さんは4年間山梨大学で学ばれていますが、本日は学生時代のことや会社での仕事などについてお聞きしたいと思いますので、よろしくお願いいたします。まず簡単にご経歴を教えてください。

1992年に当時の工学部電子情報工学科(4年次の卒業論文で指導を受けた研究室は、現在のコンピュータ・メディア工学科)へ入学し、1996年に卒業しました。
卒業後、山崎製パン株式会社の本社経理部に就職しました。入社後は現場実習ということで、千葉の工場に勤務しました。
1年後に転職活動を通じて、NRI情報システム株式会社の技術部(当時)へ転職しました。その翌年に株式会社野村総合研究所へ合併され、現職に至ります。

どのようにして就職先を選ばれたかを教えてください。

1995年は就職氷河期と呼ばれていた時で、就職活動はなかなか成果が出ませんでした。実は野村総合研究所も当たってみたのですが、1次面接で落とされています。就職活動の担当教授に相談して、山崎製パン株式会社の推薦を貰い、本社経理部に採用していただくことができました。
しかし、どうしてもSEの道が諦められず、翌年転職活動を行ない、野村総合研究所の子会社であったNRI情報システム株式会社の技術部へ転職できました。まだ卒業後1年半しか経っていませんでしたので、人事部長の計らいで春に第二次新卒の扱いで入社しています。それまではアルバイトの扱いで社員と同じ仕事をしていました。入社した次の年に株式会社野村総合研究所へ合併され、現在に至ります。

いろいろな経験をされているのですね。ところで、なぜ山梨大学を選ばれたのでしょうか。

一番の理由は、実家が山梨大学から自転車で5分の距離にあったことですね。
それと、私が小学校3年生の頃からパソコンを使って遊んでいたのですが、コンピュータ関連の勉強が山梨大学でできることがわかってからは、自然と進学先が決まりました。

どのような学生生活を過ごされましたか。

ごく普通でしょうか。カリキュラムに従い、各授業を受講し、試験を受けました。
一部の苦手な科目は再履修、再々履修をして単位を取得しました。
4年次の卒業論文も、専門的な内容に突っ込んだこともあまり出来なかったので、教授に選定いただいたテーマから選択して作成しました。

学生時代になにかやり残したと思われることはありますか。

もう少し、貪欲になって色々なことにチャレンジすればよかったなぁ、と今は思います。
ただ、当時は何にチャレンジできるのかという情報の入手経路が少なかったこともあって、そもそも何をしたい、という欲求に繋がることが少なかったということもありますが…
現在はインターネット上の情報が多いので、今の学生は恵まれていると思います。

どのようにして研究室を選ばれたかを教えてください。

当時は4年に上がる前、3年後期までの成績を持ち寄って上位の人から行きたい研究室を選べる、というルールになっていました。
学生の間でも人気のある研究室がありましたが、試験の成績はそこそこで単位を取っていたこともあって選択肢は少なかったです。それでも、人工知能といった最先端を感じさせる研究テーマには魅力があったので、岩沼研究室を選びました。

現在は、どのようなお仕事をされていますか。

現在、社内の各部署での使用を想定した、業務システムのリリースやライブラリ管理を行なうためのシステムを再構築する仕事に取り組んでいます。
10年も仕事を続けていると、色々なことができるようになるので、いわゆる王道的なシステム構築だけでなく、ニッチな内容の仕事(他が手を出していないような分野の仕事)を引き受けることも多いですね。

山梨大学での経験は役に立っていますか。

オートマトンの授業はわかりやすく、印象的だった授業のひとつで、システムを開発する際によく活用しています。画面の遷移やシステム内部の状態遷移などを設計資料に掲載するだけでなく、説明に使用してもわかりやすいため、認識合わせなどに利用し、役立っています。
また、アルゴリズムとデータ構造といった基本は基礎力として必須ですね。最近はシステムの複雑さや巨大さに比例してデータ構造も複雑化・巨大化していますが、そうした基礎を知らないと、システムの性能や品質に大きく差が出てしまうのがよくわかります。
その他の講義の内容も、単語や概念などで思い出されるものが時々出てきます。

企業側から見て自分の会社に是非入社して欲しいと思われる学生像を教えてください。

自分で問題に対する答えを導き出す力がある人でしょうか。仕事では様々な問題や課題が発生しますが、全てに教科書や過去事例のような答えがあるわけではありません。最近の言葉を借りれば、「地頭力(ぢあたまりょく)」がある人が望ましいです。つまり、既存の知識や方法論を使わず、たとえ知識の全く無い未知の分野であっても、自分の頭と常識だけを頼りに、自分なりの切り口や捉え方で、物事の本質や問題の根本に近づくことが出来る人が求められています。
また、何でもよいので、ひとつのことをとことん突っ込んでやれる人でしょうか。そのことが、仕事や余暇、交友関係など、様々な面で自分を活かしたり助けたりしてくれます。

最後に後輩へのメッセージをお願いします。

学部の4年という時間は長いですが、あっという間に過ぎてしまいます。ぼんやりする時間も大事ですが、色々なことにトライすることをお勧めします。そして、何事も伸び伸びと楽しんでやれるとなおよいです。是非、学生生活を謳歌し、充実した日々を過ごしてください。

株式会社野村総合研究所:顧客の業務分析から、システムの開発や運用までを一貫して行うシステムインテグレータ企業

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